雨漏りというと屋根材が割れたり、ずれるなどして隙間ができ、雨水がしみこむことによって発生するイメージを持たれるかもしれません。
しかし、外壁も劣化や台風、地震といった自然災害によりダメージを受けることで、ひび割れやずれなどが生じて隙間ができ、雨漏りを生じさせてしまうことがあります。
しかも外壁からの雨漏りは、すぐに気づきにくく、室内で雨漏りに気づいたときは、外壁内部の腐食が進行してしまっている可能性もあり、かなり厄介です。
外壁からの雨漏りの原因や応急措置や修理方法について解説します。
外壁が雨漏りの原因になってしまう理由
外壁が雨漏りの原因になってしまう理由は、外壁の劣化や台風や地震によりダメージを受けてしまうためです。
外壁の劣化とは
外壁の劣化と言われてもピンとこない方もいらっしゃるかもしれません。
最近の窯業系サイディング材は、見た目が大変頑丈ですし、物をぶつけたり、穴を開けるのでなければ傷がつかないように見えるかもしれません。
しかし、窯業系サイディングは、セメントを主原料とした外壁材で、素材自体は、耐水性がありません。
表面を塗装によって覆うことにより機能を維持しており、塗装が劣化してしまうと、水分が染み込みやすくなり、その結果、窯業系サイディング自体も劣化が進んでしまい、ひび割れや変形が生じやすくなります。
モルタル外壁でも、塗装が劣化するとモルタル自体が劣化しますし、クラックが生じやすくなります。
雨漏りと無縁そうに見える金属系サイディングも、継ぎ目や目地の部分の劣化により雨水が外壁内部に染み込みますし、金属の外壁自体もサビの進行で穴が空くこともあります。
現在、住宅で採用されている外壁で経年劣化しないものはなく、どの外壁であってもメンテナンスが必須です。
経年劣化による雨漏りを防ぐために有効な手段が、外壁の塗装が劣化した時点でできる限り早く、再塗装工事を行うことです。
台風や地震によるダメージ
外壁は台風や地震と言った自然災害によるダメージを受けることがあります。
台風の場合ですと、外部から重量物が飛来して外壁にぶつかったことにより、穴が空いたり、ひび割れが生じてしまう場合が典型例です。
また、地震の場合は、建物が横に揺さぶられたことにより、外壁材と外壁材がぶつかり合う形になってひび割れやズレが生じることもあります。
また、外壁の継ぎ目である目地に亀裂が入り、雨水が染み込みやすくなってしまうこともあります。
台風や地震と言った自然災害によるダメージを受けた直後は、外壁の念入りな調査が必要です。
外壁のダメージが確認されたら、火災保険などを理由して早い段階で修理することにより、雨漏りによる外壁内部の腐食などの被害の拡大を防ぐことができます。
外壁からの雨漏りの主な原因と雨漏りが生じやすい場所
外壁からの雨漏りの主な原因と雨漏りが生じやすい場所を確認しましょう。
外壁材にひび割れ・欠け・ズレが生じている
外壁材にひび割れが生じた場合は、そのひび割れの隙間から雨水が染み込むようになり、雨漏りの原因になってしまうことがあります。
モルタルの外壁はひび割れが生じやすいことが知られていますが、特に、クラックと呼ぶことが多いです。
目に見えるほどの大きなクラック(構造クラック)が生じている場合は、大量の雨水が内部に染み込みやすくなります。
外壁の一部が欠けている場合やズレが生じている場合も、大きな隙間が生じているため、大量の雨水が進入してしまいます。
窓サッシのシーリング材が劣化している
窓サッシと外壁材の境目には、シーリング材(コーキング材)というゴム状の部材が充填されています。
シーリング材は、外壁の塗装に比べると耐用年数が短く、5年から10年ほどで劣化が始まります。
シーリング材は、ゴムと同じく柔らかい素材ですが、経年劣化により固くなり、ひび割れが生じるようになります。ひび割れがさらに進行して、亀裂や剥がれ、更には、脱落と言った症状にまで進行してしまうと、窓サッシと外壁材の境目に雨水が染み込むようになり、雨漏りの原因になってしまいます。
換気口のシーリング材が劣化している
住宅にはいくつかの換気口が設けられています。
代表的なのはキッチンの換気扇の換気口ですが、それ以外にも24時間換気のための丸い換気口が数か所に設けられています。
換気口には金属製のフードがはめ込まれていますが、フードと外壁材の境目には、シーリング材(コーキング材)が充填されています。
シーリング材が劣化した場合は、その隙間から雨水が染み込みやすくなり、雨漏りの原因になってしまいます。
換気口は、窓サッシに比べると、接合部分が弱く、台風などの強風で外れやすくなっていることもあります。
そのため、定期的に点検し、シーリングの劣化具合やフードが外れそうになっていないか確認すべきです。
幕板が劣化している
幕板とは、異なる意匠の外壁と外壁の境目に設置されているもので、一階部分の外壁と二階部分のデザインが異なる場合にその間を隔てる形で設置されています。
外壁と幕板の隙間にはシーリング材(コーキング材)が充填されています。
そのため、シーリング材の劣化により、雨漏りの原因となってしまいます。
特に幕板の上部部分は雨水が集まりやすい状態になっており、外壁に滴った雨水が幕板の隙間から外壁内部に染み込みやすい状態になっていることもあります。
取り合い部分が劣化している
取り合い部分とは、一階の屋根と二階の外壁の境目、ひさしと外壁の境目のように、部材同士が接続している部分のことです
この部分には、外壁を伝った雨水が隙間から内部に染み込まないように、雨押さえと呼ばれる板金が設置されています。
ところがこの板金が、劣化して錆びて穴が空いたり、剥がれそうになっている場合は、雨水が染み込みやすくなり雨漏りの原因になってしまいます。
外壁からの雨漏りは外壁塗装で直るのか?
外壁からの雨漏りというと、外壁の耐水性能が失われて、外壁材が水分を吸い込んでいることが原因。だから、外壁を塗装すれば、外壁からの雨漏りが止まるとイメージする方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、上記までに解説したとおり、外壁からの雨漏りは、外壁材が水分を吸い込んでいることが原因ではなく、ひび割れ、欠け、脱落などにより隙間が生じていることが原因です。
そのため、その隙間を塞がなければ、外壁からの雨漏りを止めることはできません。
外壁塗装は、シーリング材などで隙間を塞いだ後で、雨漏り修理箇所を目立たなくしたり、シーリング材や外壁の素材を保護するためのものです。
外壁からの雨漏りの補修方法
外壁からの雨漏りの補修は、雨漏りの原因を突き止める検査ノウハウと雨漏り原因箇所の補修のノウハウを有する雨漏り修理専門業者に依頼するのが基本です。
✅外壁からの雨漏りの補修方法は主に次の3つの方法があります。
✅シーリング材の充填・打ち替え・打ち増し
✅サイディングの張り替え
✅外壁カバー工法
それぞれ確認しましょう。
シーリング材の充填・打ち替え・打ち増し
外壁にひび割れが生じている場合は、そのひび割れの隙間にシーリング材を充填することにより、隙間を塞ぐことができます。
また、窓サッシと外壁の隙間、外壁と外壁の間の目地のシーリングが劣化している場合は、古くなったシーリングを剥がして、新たにシーリングを充填し直す打ち替えを行うことが有効です。
古いシーリング材を剥がせない場合は、打ち増しすることで対応することもあります。
サイディングの張り替え
サイディングが大きく欠けていたり、ズレが広範囲に渡る場合は、サイディングの張り替えが必要になります。
サイディングの張り替えを行う場合は、古いサイディングをすべて剥がしたうえで、下地の状態を確認して補修を行い、防水シートも張り直したうえで、新しいサイディングを張る形になります。
かなり大掛かりな工事になるため、費用も高額になりがちです。
雨漏りの原因が、取り合い部分の劣化の場合も、取り合い部分の補修のためには、外壁を一旦剥がさなければならないこともあるので、その場合は、サイディングの張り替え工事と同様に費用がかかります。
外壁カバー工法
外壁カバー工法とは、既存の外壁の上に、新しい外壁材を張り巡らせることです。
この際によく用いられるのが、軽量な金属系サイディングです。
例えば、モルタル外壁にひび割れが多数見つかった場合は、シーリング材の充填だけでは、完全に雨漏り補修をすることができないこともあります。
このような場合は、モルタル外壁の上から金属系サイティングを張ることにより、雨漏りをほぼ確実に解消することができます。
外壁からの雨漏りの応急措置方法
外壁に大きなひび割れや隙間があり、雨水が染み込んでいることが一目瞭然の場合は、そのひび割れを早めに塞ぐことが大切です。
そのひび割れが手に届くところにある場合は、防水テープを張ることにより、一時的に雨水の侵入を防ぐことができます。
高所にひび割れがある場合は、はしごを掛けて作業するのは大変危険なので、迷わず、雨漏り修理専門業者に依頼すべきです。
そもそも、雨漏りの原因は、雨漏り修理専門業者でさえ、原因箇所を特定することが難しいこともあります。
慣れていない方が、雨漏り原因箇所を突き止めようとしても、難しい場合が多いため、外壁に劣化症状や以上が確認された場合は、早めに雨漏り修理専門業者に相談することが大切です。
まとめ
外壁からの雨漏りは、柱や梁、耐力壁といった家を支える重要部分の腐食をもたらす可能性があり、放置するのは大変危険です。外壁に隙間が生じているなどの異常が確認されたら、早い段階で、外壁の修理を検討すべきです。
弊社は江戸川区を拠点に、地域密着で外壁などの塗装工事を行っております。
外壁の塗装工事に先立ち、外壁の劣化が確認された場合は、雨漏りの原因にならないように丁寧に補修工事を行います。
これからも地元の方の期待に応えられるようより高い技術と知識を会得していく次第です。外壁塗装や雨漏りに関してお困りのことがあればいつでもお問い合わせください。