屋根材の中には塗装が必要な建材もあります。伝統的な瓦屋根ならば、瓦を塗装する必要はありませんが、コロニアル屋根、スレート屋根、さらに、金属屋根といった最近はやりの屋根の大半は、塗装によって耐水性や耐久性を高めているため、塗膜が劣化した段階で、定期的なメンテナンスが必要になります。
屋根塗装が必要な劣化症状について、屋根材別にご紹介します。
屋根は最も劣化しやすい
屋根は常時、直射日光や紫外線、風雨にさらされる過酷な環境下にあるため、建物の外装の中で最も劣化しやすい部分です。
そして、屋根の結果は建物に深刻な被害をもたらす恐れがあります。
屋根材が劣化した結果、屋根材がずれたり、ひび割れや剥がれ、欠けが生じると大きな隙間ができてしまい、その隙間から、雨水が侵入するようになります。
屋根から侵入した雨水は、屋根裏だけでなく建物全体に雨漏りの原因となりますし、さらに、柱や梁といった建物の重要な構造に深刻な被害をもたらしてしまうこともあります。
屋根はメンテナンスのタイミングを見極めることが重要
外壁と違い、屋根は直接目視で確認することが難しい部分です。
それだけに、劣化していることに気づかないまま放置して、雨漏りが発覚した時は、屋根材だけでなく、建物全体に深刻なダメージを与えてしまっている可能性もあります。
そのため、屋根は、メンテナンスのタイミングを見極めることが重要になります。
メーカーが示している耐用年数は一つの目安になるでしょう。
また、耐用年数に関わらず、屋根の劣化症状が地上からでも確認できた場合は、メンテナンスを検討すべきです。
屋根の劣化症状は屋根材ごとに異なる
屋根材と言っても、様々な種類があり、屋根材ごとに劣化症状は異なります。
現在一戸建てに使われている屋根材は、大きく4つに分類できます。
✅瓦屋根
✅コロニアル、スレート屋根
✅セメント瓦
✅金属屋根(トタン、ガルバリウム)
瓦屋根の劣化症状
瓦屋根は、伝統的な屋根材ですが、数多くの屋根材の中で最も耐久性が高い屋根材です。
耐用年数は50年以上とされており、瓦本体を再塗装する必要はありません。
瓦本体が劣化するころには、建物全体が劣化して取り壊しが必要な時期になっている可能性が高いです。
ただ、瓦屋根ならメンテナンスが必要ないわけではありません。
まず、瓦屋根の隙間には漆喰と呼ばれるセメントのような詰め物がされていますが、これは、瓦屋根ほどの耐久性はなく、10年程度で欠けたり、剥がれたりすることがあります。
また、瓦一枚一枚は小さく、それを積み重ねるようにして葺かれているため、一枚でもずれて隙間が生じてしまうと、雨漏りの原因になってしまいます。
瓦屋根については、塗装によるメンテナンスは必要ありませんが、瓦のずれや漆喰の劣化に注意する必要があります。
コロニアル、スレート屋根の劣化症状
コロニアル、スレート屋根は、セメントを主な原料とする屋根材です。
セメント自体は、耐水性がなく、そのままでは、雨水を吸収してしまいます。
そこで、工場から出荷される際は、コロニアル、スレート屋根の素材に初期塗装を施しており、この初期塗装によって雨水の侵入を防いでいます。
しかし、初期塗装の塗膜は、日々、直射日光、紫外線や風雨にさらされることで、徐々に劣化します。
塗膜が劣化すると、次のような症状が表れます。
✅屋根材の色あせ
✅屋根材にカビや苔が生える
✅塗膜が剥がれる
✅屋根材に欠けや割れが生じる
屋根材の色あせ
屋根材が色あせているということは、屋根の塗膜が劣化が劣化しているサインです。
しかし、コロニアル、スレート屋根の本体の傷みまでには達していないため、この時点で再塗装しておけば、屋根材をさらに長持ちさせることができます。
屋根材にカビや苔が生える
屋根材にカビや苔が生えている場合は、屋根の塗膜が剥がれて、セメントが雨水により湿っている状態になっていることもあります。
基本的には、カビや苔を落としたうえで、再塗装によるメンテナンスで対応できますが、屋根材の状態次第では、屋根材の交換も検討すべきことになります。
塗膜が剥がれる
塗膜が剥がれている場合は、コロニアル、スレート屋根の本体が雨水を吸水している可能性が高いです。再塗装によるメンテナンスを検討しますが、屋根材の状態によっては、屋根材の交換等も必要になります。
屋根材に欠けや割れが生じる
コロニアル、スレート屋根は薄い素材なので、欠けや割れが生じやすいです。
劣化したものになると、人が点検のために上がっただけで、体重の重みで割れてしまうこともあります。
欠けや割れが生じてしまった場合は、基本的に交換しないと雨漏りを完全に防ぐことはできません。
セメント瓦の劣化症状
最近は、新築時にセメント瓦を用いることは少なくなっていますが、古い住宅の場合は、セメント瓦を使っているケースも多いです。
セメント瓦も、基本的にコロニアル、スレート屋根と同様に、素材自体の耐水性はないため、再塗装によるメンテナンスが必要です。
セメント瓦を確認してみて、次のような症状が見られたら、早めに屋根塗装の専門家に相談しましょう。
✅屋根材の色あせ
✅屋根材にカビや苔が生える
✅塗膜が剥がれる
なお、セメント瓦も欠けや割れが生じることがあります。
この場合は交換が必要になりますが、現在では、セメント瓦はほとんど生産されていません。
そのため、現状あるセメント瓦に欠けや割れが生じてしまった場合は、同じセメント瓦に交換することは難しく、別の部材で対応するしかありません。
見栄えが気になる場合は、全面的な交換が必要になります。
金属屋根(トタン、ガルバリウム)の劣化症状
金属屋根は、耐水性、耐候性の面から大変優れた屋根材ということができます。
ただ、金属は、錆が大敵です。
トタンやガルバリウムは、いずれも錆びにくい素材ですが、全く錆びないわけではないため、塗装が剥がれてきたら、再塗装等のメンテナンスを行う必要があります。
金属屋根に錆が生じる原因としては、酸性雨のほか、ゴミ、砂埃、鳥の糞、潮風等、様々な要因があります。
特に、海に近い地域では、金属屋根は錆びやすいため、定期的に確認し、錆を見つけたら、早めに再塗装を検討すべきです。
屋根塗装により対応できる劣化症状
屋根の劣化が深刻化すると、屋根塗装だけではメンテナンスできないケースもあります。
屋根塗装だけで対応できる段階の劣化症状を紹介します。
屋根が色あせている
屋根が色あせた段階であれば、まだ、屋根の塗膜は機能していますから、屋根の素材は傷んでいない可能性が高いです。
そのため、この段階で屋根塗装によるメンテナンスを行っておけば、屋根材をさらに長持ちさせることができます。
屋根にカビや苔がある
屋根にカビや苔が生えるのは、日当たりが悪いとか、湿気が多いと言った周辺の環境も原因の一つですが、何よりも、屋根材自体がカビや苔がこびりつきやすい状態になっていることが大きな原因です。
カビや苔がこびりつきやすくなるのは、屋根の塗膜が劣化して、屋根の素材もじめじめした状態になっているためです。
このまま放置すると、カビや苔が屋根材に根を張って、浸食されてしまうので、カビや苔を除去したうえで、再度、カビや苔が発生しないように再塗装を検討すべきです。
塗膜が剥がれている
コロニアル、スレート屋根、セメント瓦で、塗膜が剥がれている場合は、剥がれた部分から雨水がしみこみやすくなります。
このまま、雨水がしみこみやすい状態で放置すると雨漏りの原因になりますし、屋根材自体も脆くなってひび割れ等のさらに深刻な劣化症状につながります。
地上からの目視でも塗膜の剥がれが確認できるほどの状況になっている場合は、早めに再塗装を検討すべきです。
金属屋根で錆が確認できる
金属屋根が錆びた場合は、見栄えが悪いだけでなく、錆びをそのまま放置してしまうと、金属の内部まで腐食が進行してやがては穴が開いてしまう恐れがあります。
穴が開いてしまった後では、塗装工事だけでは雨漏りを止めることができないため、板金工事や、屋根材自体の交換が必要になることもあります。
特にトタンの場合は、錆が確認できた段階で、錆がかなり深刻化している可能性もあります。
そのため、錆が確認されたら、早めに再塗装を検討すべきです。
屋根は早めにメンテナンスを行う
屋根は建物の外装の中で最も過酷な環境にさらされています。
加えて、一般の方では屋根の状態を直接確認することが難しいと言う難点もあります。
そのため、少しでも劣化症状が確認された場合は、メンテナンスを検討すべき状態にある可能性が高いです。
屋根塗装の色あせといった初期の劣化症状の段階で、メンテナンスを検討すれば、工事内容は、塗装工事のみで足りるため、メンテナンスの費用を抑えやすいです。
一方、劣化症状が進展して、屋根材のひび割れ、欠け、割れといった症状が生じてから、メンテナンスを検討しても、塗装だけで済ませることは難しい場合がほとんどです。
屋根材自体の交換が必要ですし、雨漏りの状況次第では、野地板も剥がして、屋根自体を作り直さなければならないこともあります。
大規模修繕と言ってよい工事になるため、工事日数も修繕費用も掛かってしまいます。
こうした事態を防ぐためにも、屋根は早めにメンテナンスを行うべきなのです。
屋根の塗装と外壁の塗装はセットで行う
屋根の塗装を行う際は、はしごをかけて屋根に上がるだけでなく、足場が必要になるのが一般的です。
そのため、屋根を塗装する際は同時に、外壁の塗装もセットで行った方が、別々に工事をやって足場代も別々に支払うよりもお得ということになります。
屋根だけ塗装して、外壁はそのままでは、メンテナンスした甲斐がありませんし、コストパフォーマンスも悪いので、屋根の塗装と外壁の塗装はセットで行うことを検討してください。
まとめ
屋根が劣化すると、見た目が悪いだけでなく、放置すると、深刻な雨漏りにつながりますし、メンテナンス時に直さなければならない箇所が多数出てしまい、多額の費用がかかってしまうので、できる限り早い段階で再塗装を検討してください。
弊社は江戸川区を拠点に、地域密着で塗装工事を行っております。
屋根塗装のご依頼を頂いたときは、屋根の劣化症状を確認したうえで、下地調整を行い、仕上がりはもちろん、新しい塗料が十分な耐久性を発揮できるように心がけています。
これからも地元の方の期待に応えられるようより高い塗装技術と知識を会得していく次第です。屋根塗装や外壁塗装に関してお困りのことがあればいつでもお問い合わせください。
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