外壁のカビや苔は、日当たりや風通し、川が近い等の周辺の環境が原因で生じることが大半です。また、カビや苔が発生しやすい外壁材もあります。
外壁のカビや苔を放置すると見た目が悪いだけでなく、外壁の劣化を早めることにもつながります。
外壁にカビや苔が生える原因と対策について解説します。
カビや苔が生える原因
外壁にカビや苔が生えることもあります。外壁にカビや苔が生えても、すべての外壁にカビや苔が生じるわけではなく、生じる面と生じない面があると思います。
では、カビや苔が生じる原因は何でしょうか?
日当たりや風通しが悪い
カビや苔は、南側の外壁よりも、北側の外壁の方が生じやすい傾向があると思います。
その理由は、住宅の北側の外壁は、日当たりや風通しが悪いためです。
日当たりが悪いと、外壁が雨で濡れた後は乾きにくいですし、風通しが悪い場合も同様です。ジメジメした環境になりやすいため、カビや苔が繁殖しやすくなります。
また、住宅密集地で、どちらの方角の外壁も日当たりが悪い場合は、方角に関係なく、カビや苔が生じやすくなります。
湖、川、沼、池が近くにある
カビや苔は、水分の多いところで発生しやすくなります。湖、川、沼、池が近くにある場合は、周辺は湿気が生じやすくなり、外壁も湿った状態になりやすいです。
おまけに日当たりが悪いという環境もそろうと、外壁が湿った状態が長くなってしまうので、カビや苔が生じやすくなります。
森林が近くにある
森、林からは、カビや苔の発生原因である胞子が風に運ばれて外壁に付着しやすくなります。また、雨が降った後などは、森、林は葉っぱに無数の水滴が付着しているので周辺は湿気が生じやすい環境になります。
また、家の周りが、森、林に囲まれている場合は必然的に日当たりも悪くなりがちなので、外壁がジメジメして、カビや苔が付着しやすく、かつ、繁殖しやすくなります。
森、林が近くにあると、空気が澄んでいたり、夏の暑さが緩和されると言ったメリットもありますが、外壁にカビや苔も生じやすいので注意が必要です。
敷地が低地にある場合
建物の敷地が低地にある場合は、湿気が溜まりやすい環境になってしまいます。低地にあるだけでなく、周辺から見て窪地の底のような環境になっている場合はなおさらです。
朝、濃霧に覆われることが多かったり、土地の地名が、谷、沼、池といった水に関係する漢字を含んでいる場合は、湿気やすい土地柄の可能性があります。
こうした土地の建物は、外壁も湿った状態になりやすく、カビや苔も生じやすくなります。
外壁の内部が湿気ている場合
外壁の内部が湿気ている場合は、外壁の内側から水分が供給される状態になるため、外壁の外側にカビや苔の発生原因である胞子が付着すると繁殖しやすくなります。
外壁の内部が湿気る原因は、外壁に雨水が染み込んでいるためです。
外壁にクラック・ひび割れが生じていて、その隙間から染み込むこともありますし、窓枠などのコーキングが劣化していて隙間が生じており、雨水が染み込んでいることもあります。
外壁の内側には防水シートが張り巡らされているので、わずかに雨水が染み込んだ程度では、室内の雨漏りには繋がりませんが、外壁自体は湿った状態になりやすく、カビや苔が発生するだけでなく、外壁材自体も傷みやすくなってしまいます。
カビや苔が生えやすい外壁
カビや苔はあらゆる外壁に生じるわけではなく、外壁によっては、上記のような環境でもカビや苔が生じにくいものもあります。
カビや苔が生じやすい外壁材
外壁材の中には、カビや苔が生じやすいものがあります。
モルタル壁は、カビや苔が生じやすい外壁材です。
モルタル壁は、水、セメント、砂を現場で混ぜ合わせて作った外壁ですが、完成時から水分を含んでいる関係上どうしても、カビや苔が生じやすいです。
また、ALC外壁や窯業系サイディングもカビや苔が生じやすい外壁材です。
ALCは軽量気泡コンクリート、窯業系サイディングはセメントを主原料とした外壁材です。
いずれも、素材そのものは、水分を弾くわけではなく、塗装によって、耐水性を維持しています。
そのため、塗膜が劣化すると、水分を吸収しやすくなるので、どうしても、カビや苔が生じやすくなります。
まとめると、外壁材の素材そのものに耐水性がない場合は、カビやコケが生じやすいということです。
カビや苔が生じにくい外壁材
カビやコケが生じにくい外壁材は、素材そのものが水分を吸わない場合です。
代表的なのは、ガルバリウム鋼板などの金属系サイティングの外壁です。金属は水分を吸わないため、カビや苔が発生しにくいです。
また、タイル外壁も水分を吸わないので、カビや苔が発生しにくいです。
外壁のカビや苔を放置すべきでない理由
外壁のカビや苔は、放置すべきではありません。放置した場合は、様々なデメリットやリスクがあります。
外壁のカビや苔は外壁の劣化を早める
外壁にカビや苔が付着した状態のまま放置した場合は、やがて、カビや苔が外壁の素材に根を下ろすようになります。
初期の段階であれば、外壁にカビや苔が付着しても洗えば落とせますが、放置した結果、根が張った状態になると、カビや苔が落ちにくくなります。
この様になってしまうと、外壁の素材が侵食された状態になるため、ひび割れしやすくなったり、欠け、剥離が生じやすくなります。
こうした外壁を補修するには、単にコーキングで穴を塞ぐだけでなく、外壁材そのものを交換する等の大掛かりな補修工事が必要になってしまいます。
外壁のカビや苔を放置すると雨漏りが生じやすくなる
外壁にカビや苔が繁殖しているということは、外壁の耐水性が失われているということです。
外壁の素材自体が雨がかかる度に水分を吸収し続けていることもあります。また、カビや苔が生えているような状況では、外壁のどこかにひび割れや欠け、剥離が生じており、そこから雨水が染み込んでいることもありますし、コーキングが劣化していることもあります。
そのため、カビや苔が繁殖するほど、放置してしまった外壁は、室内での雨漏りが生じやすくなっている可能性があります。
外壁のカビや苔は健康被害を引き起こす
外壁にカビや苔が付着したまま放置すると、根を張り、胞子を拡散するようになります。
人が、カビや苔の胞子を大量に吸い込むような環境になってしまうと、アレルギー反応や呼吸器の不調などの健康被害が生じることがあります。
外壁にカビや苔が生じないようにするには?
外壁のカビや苔は、極力生じないようにすべきです。窯業系サイディングやモルタル外壁と言ったカビや苔が生じやすいとされている外壁でも、対策を講じれば、カビや苔の発生を抑えることも可能です。
外壁周りの環境を改善する
外壁にカビや苔が生じる大きな原因は、風通しや日当たりが悪いことです。
住宅密集地では、日当たりの改善が難しいこともありますが、敷地に余裕がある場合は、日当たりの改善も可能です。
例えば、庭にある樹木が生い茂っているために日当たりが悪くなっている場合は、手入れしたり、伐採することにより、かなり改善できます。
また、外壁の周りにいろいろな物を雑然と放置している場合は、風通しが悪くなりますから、片付けてスッキリさせるべきです。
庭や外壁の周辺に雑草がはびこっている場合も、敷地がジメジメしやすく、一階の外壁を中心にカビや苔が生じやすくなります。
雑草を刈り取って、防草シートを張り巡らすなどの雑草対策を講じると、かなり改善します。
カビや苔が生じにくい外壁塗装を行う
外壁にカビや苔が生じやすくなったら、外壁の塗膜が劣化している証拠なので、外壁塗装を検討すべきタイミングと言えます。
外壁の塗装工事を行えば、カビや苔の悩みから一旦開放されますが、暫く経つと、再び、カビや苔が付着しやすくなることもあります。
このような場合は、外壁の塗装工事を行う際に、カビや苔が生じにくい塗料を使うのも有効です。
例えば、光触媒塗料や防藻、防カビ剤入りの塗料が有効です。
光触媒塗料は、外壁にカビや苔が付着が付着しても、太陽光を浴びた際に、カビや苔を浮かせ、雨水とともに流れ落とすことができます。
また、防藻、防カビ剤入りの塗料は、カビや苔の繁殖を防ぐ効果があるので、塗装後、長い期間にわたり、カビや苔の悩みから開放されやすくなります。
外壁にカビや苔が生じた場合の対処方法
外壁にカビや苔が生じた場合は、水洗いして、落とせるだけ落としましょう。カビや苔が外壁にこびりついて落とせなくなっている場合は再塗装を検討すべきです。
外壁を水洗いする
外壁にカビや苔が生じた場合は、水洗いにより、カビや苔を落としてやるのが原則です。
なお、高圧洗浄機を使う場合は、外壁そのものが痛む可能性があるので、状態を確かめながら作業を進めましょう。また、カビや苔が混じった水分が周辺に飛び散るため、近所迷惑にならないように注意が必要です。
外壁の再塗装を依頼する
外壁のカビや苔を水洗いにより落とした後は、外壁の状態を確認しましょう。
カビや苔がしつこくこびり付いていて、落とせない場合は、外壁の塗装面が劣化している証拠です。
再塗装も検討すべきです。
カビや苔が落ちない程度で、再塗装するのは早いのではないかと思うかもしれませんが、外壁にひび割れが生じてから、塗装を検討しても、外壁材を交換しなければならなかったりして、多額の補修費用がかかってしまいます。
早めに塗装工事を行うことにより、塗装工事にかかる必要だけでメンテナンスを行うことができるので、結果として、少ない費用ですみます。
まとめ
外壁に生えるカビや苔は、見た目が悪いだけでなく、放置すると、外壁材そのものの劣化につながってしまうので、定期的に洗い流しましょう。カビや苔がこびりついて落ちなくなったら、再塗装を検討してください。
弊社は江戸川区を拠点に、地域密着で塗装工事を行っております。
カビや苔が生えてしまった外壁でも、しっかりとカビや苔を落としたうえで、下地調整を行い、仕上がりはもちろん、新しい塗料が十分な耐久性を発揮できるように心がけています。
これからも地元の方の期待に応えられるようより高い塗装技術と知識を会得していく次第です。外壁塗装に関してお困りのことがあればいつでもお問い合わせください。