「オートンイクシード」は、「オート化学工業株式会社」が開発し販売しているコーキング材(シーリング材)です。
一般的なコーキング材(シーリング材)と比べると耐候性や耐久性がずば抜けて優れており、寿命が長いことから、最近注目されるようになっています。
この記事では、コーキングの役割と弱点、オートンイクシードのメリットとデメリットについて解説します。
コーキング(シーリング)とは
コーキングとシーリングは、基本的に同じ意味です。シーリングという場合、シーリングライトと混同されることがあるため、この記事では、コーキングと表現します。
コーキングは、建物の気密性や防水性を確保するために、建物に生じた隙間にコーキング材を充填することを意味します。
建物の外壁でコーキング(シーリング)が必要な箇所
建物の外壁でコーキングが必要な箇所としては、おもに次の2つが挙げられます。
✅サッシの枠と外壁材の境目
✅外壁と外壁の境目(主に窯業系サイディングやALC)
こうした境目は、欠陥ではありません。
地震などで建物が揺れて部材同士がぶつかりあったり、湿度や温度変化によって伸縮してぶつかり合うことで、外壁材等にひび割れや欠けが生じることを防ぐために、あえて隙間を設けているわけです。
ただ、隙間を開けたままでは、建物の気密性や防水性を確保できません。
そこで、コーキングを行います。
コーキング(シーリング)の役割
外壁材におけるコーキングの主な役割は、次の2つです。
①雨水の侵入を防ぐ
②緩衝材となる
外壁の隙間にコーキングを打つことにより、雨水の侵入を防ぐことが第一の目的です。
更に、サッシの枠と外壁材、外壁と外壁の間に、ゴムのように柔らかいコーキングを打つことで、建物が揺れた場合の緩衝材の役割も果たしています。
コーキング(シーリング)の特徴
コーキングは、接着性が高いだけでなく、柔軟性も併せ持っています。
施工直後は、粘りのある液体で、触ると手にベタついてしまいますが、すぐに硬化します。
硬化したとしてもガチガチに固くなるわけではなく、ゴムのように弾力性を保ち、防水性を維持し続けます。
コーキング(シーリング)は劣化が早い?
コーキングは、外壁と比べると耐用年数、寿命が短いのが一般的です。
特に外壁のコーキングは、日々、雨水や紫外線にさらされるため、劣化が早いです。
コーキング剤にもよりますが、5〜10年程度で寿命になると言われています。
具体的には、次のように症状が現れた場合は、コーキングの寿命と判断します。
黒く汚れている(ブリード現象)
コーキング剤は柔軟性を保つために可塑剤が使われていますが、この可塑剤がコーキングの表面に出てきた場合は、黒い汚れとなってしまいます。これをブリード現象といいますが、ブリード現象が生じた場合は、コーキングが固くなった上、痩せているのが一般的なので、寿命と判断することになります。
痩せている
現在では、ブリード現象が起きにくいコーキングが広く使われていますが、経年劣化により、コーキングが痩せることに変わりはありません。
コーキングが痩せるとは、コーキングの部分が凹んだようになり、固く弾力性がなくなる状態のことです。
目地から隔離する
経年劣化したコーキングは、一見すると問題なさそうに見えても、よくみると、隙間にピッタリくっついておらず、隙間ができていることがあります。
こうした隙間が生じた場合は雨水が染み込んでしまうため、コーキングの打ち替え(打ち直し)が必要です。
ひび割れている
コーキングが劣化すると、乾燥してひび割れが生じてしまいます。コーキングの役割を果たしていない状態なので、コーキングの打ち替え(打ち直し)が必要になります。
ひび割れがさらに深刻化すると、剥離が生じたり、亀裂がさらに深くなって、雨水が侵入しやすい状態になってしまいます。
外壁塗装と同時にコーキング(シーリング)の打ち替えも必要
コーキングは、外壁よりも寿命が短いことから、外壁塗装を検討するタイミングで同時に、コーキングの打ち替え工事を行うのが一般的です。
コーキングの劣化が早い場合は、外壁を塗装する必要がなくても、コーキングの打ち替えだけは行った方がよい場合もあります。
このように、コーキングは、建物の外回りで使われている建材の中ではもっとも寿命が短いことから、交換の頻度が高く、また、雨漏りを防ぐためにも、定期的な点検が必要な箇所ということができます。
オートンイクシードは寿命が約30年
最近では、寿命の長いコーキング材(シーリング材)も開発されるようになっています。
オートンイクシードもその一つです。
オートンイクシードは、特殊高耐久ポリマー「LSポリマー」を配合することによって、耐久性、耐候性を高めた「超寿命シーリング材」として売り出されています。
一般的なコーキング材(シーリング材)の寿命が5〜10年程度であるのに対して、オートンイクシードの寿命は約30年とされています。
それだけ寿命が長い理由としては、一般的なコーキング材(シーリング材)に使われている可塑剤を使っていないという点が挙げられます。
一般的なコーキング材(シーリング材)は、汎用ポリマーと可塑剤が主な成分ですが、可塑剤は歳月とともに流出し、その結果、コーキングが痩せていきます。更に可塑剤の流出が続くことにより、コーキングが固くなり、ひび割れ等の劣化症状に繋がります。
それに対して、オートンイクシードは、汎用ポリマーの代わりに、「LSポリマー」、可塑剤の代わりに「柔軟性樹脂」を配合しています。
長い時間が経過しても、これらの成分が流出しないため、長期間にわたり、柔軟性を維持することができますし、ひび割れ等の劣化症状も発生しにくいことが注目されています。
オートンイクシードの機能
一般的なコーキング材(シーリング材)と比較した場合のオートンイクシードの機能を紹介します。
耐候性
一般的なコーキング材(シーリング材)は日々、紫外線や太陽熱、雨水などを浴び続けることにより、劣化していきます。
オートンイクシードは、他のシーリングと同じ環境にさらされたとしても、劣化の進行度が遅く3倍以上もの期間で劣化せずに持ち堪えることが可能です。
耐久性
コーキングは、日中、日差しを浴びたり、夜間に寒気にさらされることで、伸縮を繰り返す性質があります。
ところが、コーキングが劣化して固くなると伸縮しなくなり、固くなって、外壁材から剥がれて隙間が生じてしまうことがあります。
オートンイクシードも伸縮を繰り返しますが、劣化が遅いため、長期間経過しても、剥がれて隙間が生じる事態になりにくい特徴があります。
接着性
コーキングはサッシの枠と外壁材、外壁と外壁の間に埋まっているだけでなく、部材と接着することで気密性や防水性を高めています。
ただ、劣化が進むことにより、接着性も落ちるため、剥がれや剥離につながるわけです。
その点、オートンイクシードは、劣化が遅いため、長期間にわたり、接着性を維持することができます。
意匠性
コーキングは、雨水の侵入を防ぐ、緩衝材となるといった実用性だけでなく、美観維持にも役立っています。
劣化が進行した場合は、コーキングにひび割れが生じたり、黒ずんだりして、美観が損なわれます。
その点、オートンイクシードは、劣化が遅いため、長期間にわたり、美観を維持することができます。
オートンイクシードの欠点
コーキング材(シーリング材)として優れた性能を有するオートンイクシードですが、欠点もあります。
コーキングを打った直後は、ボンドと同じようにどろどろの状態なので、触ることはできません。
コーキングは
✅表面が硬化する「表面硬化」
✅触っても問題ない程度に硬化する「皮膜硬化」
✅完全に硬化する「完全硬化」
と段階的に硬化しますが、最低でも、「皮膜硬化」に至らないと、次の工程の塗装等を行うことができません。
一般的なコーキング材(シーリング材)であれば、「皮膜硬化」まで約1.5時間〜4時間程ですが、オートンイクシードは、更に長い時間がかかります。
表面硬化時間でも、夏で2時間程度、春秋で5時間程度、冬で24時間程度となっています。
オートンイクシードを打った後は、養生期間を置かなければならず、工期が長くなってしまう点が欠点ということになります。
もっとも、表面硬化時間を短縮するための商品として、オートンシールドライヤーも販売されているので、状況に応じて利用することができます。
オートンイクシードの価格
オートンイクシードは優れたシーリング材のため、価額が高いのではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、手に届かないほど高いわけではありません。
一般的なコーキング材(シーリング材)の費用は1mあたり750円〜1,100円程度です。
それに対して、オートンイクシードの費用は1mあたり950円〜1,350円ほどです。
一般的な2階建て住宅の場合は、200メートルほど必要になりますからトータルでは、次のような目安になります。
一般的なコーキング材(シーリング材):15万円〜22万円
オートンイクシード:19万円〜27万円
一般的なコーキング材(シーリング材)と比べると、オートンイクシードは割高ですが、約30年という耐用年数を考慮すれば、高すぎるということはないのではないでしょうか。
まとめ
コーキングは、耐用年数が短いため、外壁塗装工事と併せて打ち替えを行うべきです。
その際、コーキングの打ち替えのスパンを伸ばすために、オートンイクシードを選ぶことも検討してください。
弊社は江戸川区を拠点に、地域密着で塗装工事を行っております。
塗装工事と同時にコーキングの打ち替え工事も承っておりますし、オートンイクシードも取り扱っております。
これからも地元の方の期待に応えられるようより高い塗装技術と知識を会得していく次第です。屋根塗装や外壁塗装に関してお困りのことがあればいつでもお問い合わせください。