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折板屋根とは?塗装が必要な劣化症状やメンテナンス方法について

折板屋根は、工場や倉庫に使われることの多い金属製の屋根材です。錆びることがあるため、長持ちさせるには塗装によるメンテナンスが必要です。
塗装が必要な劣化症状やメンテナンス方法について解説します。

折板屋根とは

折板屋根は、工場や倉庫に使われることの多い金属屋根です。
金属は単純な平板では、表面にかかる圧力で凹んでしまいます。台風などの強風時や大雪が積もって重みがかかったときに、ボコッと凹んで見た目が悪くなりますし、凹んだ部分に雨水が溜まりやすくなり錆の原因になってしまいます。
折板屋根は波型の形状によって、表面にかかる圧力で凹まないようにしています。

折板屋根の素材

折板屋根は、金属製の屋根です。
金属と言っても様々な種類がありますが、古いものだとトタン新しいものだとガルバリウム鋼板が使われていることが多いです。
厚みは0.6〜1.2㎜程度なので、屋根の軽量化に繋がり、地震時の耐震性も高いのが特徴です。
一方で素材の金属板が薄いので、錆びを放置していると、知らぬ間に穴が空いてしまい、雨漏りなどが生じてしまうことがあります。
薄い屋根材であるだけに、メンテナンスに気を使う必要があります。

折板屋根の特徴

折板屋根には様々な特徴があります。

軽量である

折板屋根の素材は、薄い金属板です。金属というと重いイメージがあるかもしれませんが、屋根材の金属は0.6〜1.2㎜程度なので、瓦などと比べると非常に軽いです。
そのため、屋根全体を軽量化し、耐震性を高めることができます。

大面積の施工が可能

大型の工場や倉庫だと屋根の面積が非常に広いのが一般的です。
広い屋根に小さな瓦やスレートを一枚一枚葺いていたら、完成までに大変な時間がかかります。
その点、折板屋根ならば、一枚で広い面積をカバーできるため、施工性が高い点が特徴です。

強度が強い

折板屋根は波型の形になっているため、強度が高いです。瓦やスレートの屋根材は、必ず野地板という下地の板材が必要ですが、折板屋根は下地無しで、梁にタイトフレームと呼ばれる下地金具を取り付けて、その上に施工することができます。
下地なしでも上からの圧力で凹むことはなく、形状を保持できるのが特徴です。

折板屋根の固定方法

折板屋根は、タイトフレームにボルトで固定しますが、実際には様々な固定方法があります。

重ねタイプ

折板屋根の板材を貫通してタイトフレームにボルトで直接固定する方法です。
板材とタイトフレームがボルトで完全に固定されているため、耐風性に優れています。
折板屋根は軽いだけに台風や竜巻などの暴風に見舞われたときは、屋根が剥がされてしまうこともありますが、その心配が一番少ない固定方法です。
ただ、ボルトが出ているだけにボルト周辺が錆びやすい点が欠点です。

はぜ締めタイプ

折板屋根の凸になっている「はぜ」と呼ばれる部分をタイトフレームの吊子に引っ掛けるようにして固定する方法です。
はぜ締めタイプの大きな特徴は、ボルトが折板屋根上部に貫通していないことです。
そのため、非常にきれいな仕上がりになりますし、ボルトによる錆を心配する必要がありません。
施工面積が広い場合に用いられることが多い工法です。

嵌合タイプ

重ねタイプと同様に折板屋根をタイトフレームにボルトで留めていますが、ボルトの上にカバーとなる金属板を被せることによって、直接はボルトが出ていない状態にしているタイプです。こちらもボルトが直接雨水にさらされないため、錆びにくいです。

折板屋根の劣化症状

折板屋根は金属板なので、素材自体が高い防水性能を有していると言えます。ただ、メンテナンスフリーの屋根材ではないので、定期的な塗装が必要です。
折板屋根のメンテナンスが必要な劣化症状を確認しましょう。

色あせ

折板屋根には初期塗装が施されていますが、経年劣化によって、この塗装面が色あせてきます。
色あせは、塗膜が劣化して素材である金属を保護する機能が失われた証拠です。
色あせても直ちに影響はありませんが、できればこの段階で再塗装を検討すべきです。

キズや凹みが生じてしまった場合

折板屋根は強度が比較的高いですが、薄い金属板なので、物がぶつかるとキズや凹みが生じてしまうこともあります。
屋根に物がぶつかることがあるのかと疑問に思うかもしれませんが、カラスがいたずらで石を落とすようなこともあります。
キズや凹みがある場合は錆びやすくなりますから、早めのメンテナンスが必要です。

サビが生じている場合

折板屋根は金属なので錆びます。トタンの場合は塗膜が剥がれると錆びやすくなります。ガルバリウム鋼板なら、塗装なしでも錆びにくいと言われていますが、ステンレスほどの防錆性能はありません。
特に重ねタイプでボルトが貫通している場合は、ボルトの錆からのもらい錆で折板屋根本体も錆びてしまうことが多いです。
サビが生じたら、早めにメンテナンスが必要です。

穴が空いている場合

錆びるだけでなく、錆びている部分に穴が空いてしまっている場合は、雨漏りが生じていると思います。
工場や倉庫の操業に支障が生じているはずですので、すぐに補修工事を行う必要があります。

浮き、剥がれがある場合

はぜ締めタイプの場合は、年数が経つとはぜの部分が緩んで屋根の浮きや剥がれが生じやすくなります。
このような状態だと、台風や竜巻などの強風に見舞われた場合に、屋根が剥がされてしまう被害が生じやすくなります。
屋根の浮き、剥がれが確認された場合は、早めの補修工事が必要です。

折板屋根のメンテナンス方法

折板屋根のメンテナンスには様々な方法があります。

屋根塗装

折板屋根の色あせ、サビの初期段階で検討されるメンテナンス方法です。
折板屋根を塗装することによって、折板屋根が錆びてしまうことを防ぎます。
すでに錆びている場合でも、穴が空いていなければ錆を落としたうえで、塗装によって保護することも可能です。

屋根カバー工法

折板屋根の劣化状態がひどく、特に錆が進行して穴が空いているような場合は塗装だけのメンテナンスでは効果がありません。
この場合は、古い折板屋根の上に新しい折板屋根を被せる形が検討されます。
古い折板屋根を剥がさなくて良いため、比較的短期間で工事を終わらせることができます。
また、古い折板屋根と新しい折板屋根の間に断熱材を挟み込むことで、断熱性を高める効果も期待できます。

屋根の葺き替え工事

折板屋根の劣化状態がひどく、屋根カバー工法でも対応できない場合は、古い折板屋根を剥がして、新しい折板屋根に葺き替えする必要があります。
折板屋根は下地がないため、屋根をはがしてしまうと、吹き抜け状態になってしまいます。
そのため、工事中は、工場や倉庫の操業を停止しなければならないこともあります。

折板屋根の塗装の手順

折板屋根の劣化状態が初期の段階であれば、塗装によるメンテナンスが可能なので費用を抑えることができます。
折板屋根の塗装の手順を確認しましょう。

足場の架設とメッシュシートの設置

工場や倉庫の折板屋根は3寸勾配以下になっていることも多く、足場なしでも歩くことができますが、安全面や洗浄や塗装時の飛散防止のために、足場とメッシュシートの設置が必要になるのが一般的です。
そのため、折板屋根と同時に外壁の塗装も行ったほうがコストパフォーマンスが良いです。

高圧洗浄

汚れが残っていると塗装時に汚れを巻き込んでしまうので、高圧洗浄によって、折板屋根の汚れを落とします。
折板屋根は谷底の部分が特に汚れやすいため、重点的に洗浄します。

下地調整

下地調整では、劣化したシーリングの補修などを行いますが、もっとも重要なのは、サビをケレン作業によって削り落とすことです。
サビが残っていると、塗膜が剥がれやすくなったり、腐食が進行して穴が空いてしまいます。
特に、ボルト周辺は錆びやすいため、念入りにサビを落とす必要があります。

下塗り

下塗りは、上塗り塗料の接着性を高めることと、素材の金属を保護する目的で行います。防錆性能の高い塗料を使うのが一般的です。

中塗り・上塗り

中塗り、上塗りでは、仕上げの塗料を2回塗ります。
塗料を繰り返し塗る際は、十分な乾燥時間を設けることが重要なので、仕上がりまで日数を要することもあります。

ボルトキャップの設置

重ねタイプのようにボルトが貫通しているタイプだと、ボルトが露出したままでは、すぐに錆びてしまうため、ボルトキャップを被せて保護します。

折板屋根の塗装面積の計算方法

折板屋根は、実際の屋根の面積よりも塗装する面積が広くなります。
折板屋根の谷の部分は斜面になっているため、屋根の横の長さは三角形の底辺、斜面の長さは斜辺に該当するものとして、三平方の定理で実際の塗装面積を求める必要があります。
ただ、実際に三平方の定理で計算していたら大変なので、一般的には、「屋根面積×塗装係数」という計算式で求めます。
折板屋根の場合、塗装係数は、1.4〜1.7の範囲になります。
つまり、実際の屋根の面積よりも、1.5倍以上の広さを塗装する計算になるということです。
この計算がしっかりできていないと、塗料が足りなくなってしまい、十分な塗装をしてもらえないことがあるので、見積書などでその点が考慮されているかよく確かめることが大切です。

まとめ

折板屋根は頑丈そうに見えるかもしれませんが金属なので錆びると穴が開いてしまいます。長持ちさせるためには塗装によるメンテナンスが必要です。
弊社は江戸川区を中心に地域密着で外壁や屋根の塗装工事を行っています。
折板屋根の塗装工事やメンテナンスの依頼もお受けしています。
お客様の折板屋根の状態に合わせた最適なメンテナンス方法を提案させていただきますので、お困りのことがあれば、いつでも弊社にお問い合わせください。

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