工場や倉庫の外壁や屋根の塗装メンテナンスは、事業の売り上げに直接影響するものではないだけに、設備投資と比べて後回しにされがちです。
しかし、工場や倉庫の外観をきれいに保つことは、訪問者の第一印象や従業員のモチベーションアップのために欠かせないものですし、様々な実用性もあります。
工場や倉庫などの塗装メンテナンスの重要性やメリットを解説します。
工場や倉庫は鉄骨造りが多い
工場や倉庫は多くの場合、鉄骨造りとなっています。
屋根も外壁も金属でできていることが多く、トタンを使っている場合は、初期塗装が剥げるとすぐに錆が発生してしまいます。
大波スレートや小波スレートを使っている場合も、色褪せてカビやコケが付着したり割れることがあるので、定期的なメンテナンスが必要になります。
工場や倉庫を塗装するメリット
工場や倉庫の建物を塗装するなどのメンテナンスを行うことに対して、あまり意識が向かない方も少なくありません。
工場や倉庫は店舗と兼ねているのでない限り、塗装することのメリットは少ないように思うかもしれませんが、様々なメリットがあるので確認しましょう。
工場や倉庫の建材を長持ちさせることができる
工場や倉庫では、骨組みは鉄骨、屋根、外壁、内装も金属が使われていることが多く、環境次第では半永久的と言ってよいほど長持ちします。
そのためには、建材を錆びさせないことが非常に重要です。
鉄部を覆う塗装は歳月を経るにつれて、劣化して、やがて剥がれてしまいます。剥がれると鉄はすぐに錆びてしまうので、そうなる前に定期的に塗装を行い、鉄部を露出させないことが大切です。
工場や倉庫の資産価値を維持する
工場や倉庫には、資産価値があります。金属造りの工場や倉庫は骨格材の肉厚が4ミリを超えるものであれば、減価償却資産としての耐用年数が31年とされています。
もちろん、31年経過すれば劣化して価値がなくなるわけではなく、丁寧にメンテナンスしておけば、31年を超えて価値を維持することが可能です。
工場や倉庫を建て替えるには多額の資金が必要になりますが、塗装によるメンテナンスなら、建て替えほどの費用はかかりません。
イメージが良くなる
屋根、外壁、内装の塗装が剥がれて、鉄部が錆びている工場や倉庫と、しっかり塗装されていて、錆が全く無い工場や倉庫とでは、後者の方がイメージが良いことは言うまでもありません。
来客があった際に、錆がない工場や倉庫に案内すれば、いい印象を与えます。製品や商品だけでなく、工場や倉庫も清潔感があれば、しっかりした会社だと思ってくれるわけです。
また、従業員も錆だらけの施設で働くより、錆のないきれいな施設で働くほうがモチベーションが上がるはずです。
従業員を採用する際も、やはり、きれいな工場や倉庫の方が人が集まりやすいはずです。
工場や倉庫を塗装しないことのデメリット
工場や倉庫を塗装しない場合は、様々なデメリットが生じます。
雨漏りが発生する危険がある
外壁や屋根の塗装が剥げて、錆による腐食が進むと、外壁や屋根に穴が空いてしまいます。
雨漏りが発生しやすくなり、工場や倉庫にある製品や商品が雨によってだめになってしまうこともあります。
また高額な機械設備が雨によってだめになってしまったら、多大な損失を被ってしまいます。
ネズミなどの野生動物が入り込む恐れがある
外壁や屋根が錆びて穴が開くと、雨だけでなく、ネズミなどの野生動物が入り込むことがあります。
野生動物が製品や商品をかじったり箱の内部に入るかもしれませんし、機械設備の中に入り込んで、故障させてしまうおそれもあります。
また、電気をショートさせてしまい、火災の原因になってしまうこともあります。
工場や倉庫の塗装を行うべきタイミング
工場や倉庫の塗装を行うべきタイミングは、塗膜が劣化した時です。
具体的な劣化症状を確認しましょう。
✅色褪せが生じている
外壁や屋根の塗膜が色褪せてきたら、塗装を行うべきタイミングです。
外壁や屋根の塗膜は、紫外線を浴び続けたり、参加などの化学変化によって、色褪せていきます。
色褪せただけでは、鉄部などに錆は生じていないかもしれませんが、この段階で再塗装を行っておけば、錆びることはありませんし、工場や倉庫の建物を長持ちさせることができます。
✅チョーキング現象(白亜化現象)が生じている
チョーキング現象(白亜化現象)とは、外壁などを手の平で触ったときにチョークのような白い粉が付着する状態のことです。
合成樹脂や顔料といった塗膜の成分が劣化したために起こる症状です。
この段階では、まだ塗膜は剥がれていませんが、このまま放置すると、完全に塗膜が剥がれて、金属部分が露出してしまいます。
鉄部の場合は、すぐに錆びてしまいます。
そのため、チョーキング現象は再塗装を行うべきタイミングとされています。
この段階で再塗装を行っておけば、錆びることはありませんし、工場や倉庫の建物を長持ちさせることができます。
✅塗膜に浮きや膨れがある
外壁や屋根の塗膜は紫外線や酸性雨を浴びることにより、下地材との付着力を失っていきます。その結果、水ぶくれのような状態になってしまうことがあります。
鉄部などは露出していなくても、浮きや膨れが生じた部分は、鉄部を保護する機能が失われているため、そのまま放置すると錆が進行してしまいます。
そのため、浮きや膨れの部分をケレン作業により削ぎ落として再塗装する必要があります。
✅塗膜が剥がれている
外壁や屋根の塗膜が剥がれた場合、雨水にさらされる状態となるため、下地材の劣化が早まります。
鉄部の場合はすぐに錆びてしまうため、早めに再塗装を行う必要があります。
✅既に錆が発生している
外壁や屋根の所々に既に錆が確認される状態です。
この段階でも、錆びによる侵食が深くなければ、錆を落とすなどの簡易な下地処理を行うだけで、再塗装が可能です。
ただし、錆びた部分は削り落とさなければならず、その分、強度も弱くなってしまいます。
やはり、錆びる前の再塗装が重要だということです。
✅コーキング(シーリング)が劣化している
金属製の外壁や屋根でも、つなぎ目の部分やドア、窓との境目には、コーキング(シーリング)が打たれています。
コーキングは、10年もすると劣化し、肉痩せしたり、ひび割れ、剥がれが生じます。
隙間ができると、雨水が染み込みやすくなり、雨漏りの原因になります。
そのため、コーキングが劣化したら、コーキングの打ち替え(打ち直し)によるメンテナンスが必要です。
コーキングの打ち替えが必要なタイミングは、再塗装のタイミングと重なることもあります。
コーキングの打ち替え工事を行う場合も高所では足場が必要になるため、塗装と一緒に行うとコストパフォーマンス的にも有効です。
工場や倉庫の塗装工事と同時に機能性を高めるには?
工場や倉庫の外壁や屋根を塗装する機会に、単に美観を維持するだけでなく、様々な機能性を高めることもできます。
メンテナンスの頻度を減らす
外壁や屋根を塗装する際に耐久性、耐用年数の長い塗料を選ぶことにより、メンテナンスの頻度を減らすことも可能です。
例えば、フッ素塗料ならば耐用年数は15年から20年、無機塗料ならば、15年から25年と耐用年数が長いため、次の塗装時期を延ばすことが可能です。
また、コーキング(シーリング)もオートンイクシードのような長寿命のものを選択できます。
汚れが落ちやすい塗料を選ぶ
塗装直後は、ツヤがあり綺麗な状態でも、数年もすれば、薄汚れた状態になってしまいます。
最近では、低汚染塗料と言い、埃などによる汚れがつきにくい塗料も出ています。雨が降れば、汚れも一緒に流れ落ちるため、長く美観を維持することができます。
工場内の温度上昇を防止する
屋根も外壁も金属製の工場や倉庫だと、夏場は直射日光によって、屋根と外壁が熱くなり、内部の温度も急上昇してしまいます。
そんなときは、温度上昇の原因となる赤外線を効率よく反射することで、屋根や外壁の表面温度の上昇を防ぐ遮熱塗料を選ぶとよいでしょう。
工場内の断熱性を高める
遮熱塗料は赤外線を反射するだけで、熱をキープする断熱性能はありません。
断熱塗料は、熱の伝達を緩める塗料です。
屋根や外壁に断熱塗料を塗ることによって、断熱材を施工したのと同じような効果が得られるため、夏場は内部での冷房が効きやすくなりますし、冬場は暖房が効いて暖かい状態を保ちやすくなります。
その結果、光熱費の削減効果が期待できます。
まとめ
弊社は江戸川区を拠点に、地域密着で外壁や屋根の塗装工事を行っております。
一般住宅だけでなく、工場や倉庫の塗装工事も承っております。お客様からのご要望をお聞きした上で、最適な塗装プランを提案させていただき、速やかに塗装工事を行わせていただきます。
これからも地元の方の期待に応えられるようより高い塗装技術と知識を会得していく次第です。工場や倉庫の塗装に関してお困りのことがあればいつでもお問い合わせください。
▷最も主流な外壁材「サイディング」のメンテナンス方法について